自動売買であっても感情を完全に排除することは難しい
儲けるためにFXをやっているのは皆一緒です。だから、「このEAはどれくらい利益を稼ぐか?」に目がいってしまうのは仕方ありません。
しかし、「月利は何%か?」「総利益はいくらか?」といった利益指標ばかりを追っかけているようでは、安定した利益を出し続けることは困難でしょう。
それはなぜでしょうか?
それはEAの運用(自動売買)で発生する不安や恐怖を考慮していないからです。
「え?自動売買って不安や恐怖といった感情を排除できることがメリットの1つでしょ?」という声が聞こえてきそうです。
確かに、EAは決められたルール通りにエントリーとエグジットを淡々と実行してくれます。そこに感情は一切入りません。
しかし、トレード結果を評価し、運用の継続可否を判断するのは人間であることを忘れてはいけません。
人間は感情で動いてしまう生きものです。そのため、自動売買であっても感情を完全に排除することは非常に難しいのです。
このことが運用ルールの策定と遵守の必要性に繋がるわけですが、今回は運用ルールの話ではなく、運用時の感情面に注目します。
負け方に注目せよ
自動売買であっても感情要素は残るという前提に立った時に、一番大事なのは負けた時の感情です。
まずは、これを見てください。
あるEAの資産曲線です。素晴らしい結果を残していますね。
素晴らしい結果であることを知っている状態でこの資産曲線を見ると、優秀なEAだなぁと思うでしょう。
では、これならどうでしょうか?
今度は素晴らしい結果とは思えないはずです。それどころか、「このEAは大丈夫なのか?」と心配になるのではないでしょうか?
もうお分かりでしょうが、上記2つの資産曲線は同じものです。違いは資産曲線を見ているタイミングです。
前者は結果オーライだった時のもので、後者は苦しい時だったものです。
EAの運用を考える時は、後者の苦しい時を想定しなければなりません。
EAを運用し始めると、上図のように大きな損失や連敗に見舞われることが必ずあります。その時あなたは冷静でいられますか?
大きく勝っている状態であれば多少の損失は気にならないでしょうが、それでも連敗が続くとだんだん不安になってきて、無秩序にパラメータを変えたりEAの稼働・停止を繰り返したりします。
このように運用が乱れちゃうと、何が正しいのか分からなくなり、やがて無秩序な状態に陥り、最後は退場になります。
そうならないためにはどうすればよいでしょうか?
それは心を乱さない負け方をするEAを使う(または作る)ことです。
ドローダウンが大きいと辛いですか?
連敗数が大きいと辛いですか?
含み損の期間が長いと辛いですか?
「どんな負け方だと自分の心が乱されるか」をぜひ自問してみてください。
そして、自分が動じにくいタイプのEAを見つけて(作って)使ってみてください。
それだけで運用がグッと楽になります。運用が楽になると運用を継続しやすくなります。運用が継続できるようになると結果として利益を出せるようになります。