市販のEAは購入タイミングが重要
初めにお断りしておきますが、本記事はラッコさんを批判するものではありませんし、Forex White Bear V3を批判するものでもありません。むしろ、ラッコさんは非常に素晴らしい成績を残した日本製EAの開発者として尊敬すべき人物だと思っております。事実、私はForex White Bear V1もForex White Bear V3も購入しています。以降の記述は一般論として受け取って頂けると幸いです。
fx-onさんにForex White Bear V3というEAがあります。2013/5/1に販売開始され、900本も売れた超人気EAです。
この超人気EAがその後、どうなったか見ていきたいと思います。以下の条件でバックテストを実施しました。
- 対象EA:Forex White Bear V3(2016/7/16現在の最新バージョンV3.34)
- EAパラメータ:ロット数を0.01に固定し、それ以外はデフォルト
- ヒストリカルデータ:Dukascopy社のJForexからダウンロードした1分足
- バックテスト期間:2008/1/1~2016/7/5
- モデル:全ティック
- スプレッド:3pips固定
- 初期口座残高:10,000ドル
バックテスト結果は以下の通りでした。
売買結果一覧は多すぎてお見せできないので要点のみお伝えします。
2008/1/1からスタートして、EA販売開始前2013/4/30(上図の1646番)時点では、10507.17ドルになっており、10507.17ドル – 10000ドル = +507.17ドル(+5071.7pips)の利益となっています。1年あたり1000pipsも勝っていることになります。
この期間はEA販売前ですから、EA作成時にヒストリカルデータを使いながら十分テストしてロジック及びパラメータを設計していたはずです。この期間で勝てていないと話になりません。
そして、最終日2016/7/5(上図の2672番)時点では、10467.97ドルになっていました。10467.97ドル – 10507.17ドル = -39.2ドル(-392pips)の損失ですね。
この期間はEA販売後の未来に相当するため、フォワードテストに近い位置づけになります。残念ながら、デフォルトのパラメータでは損失を出していることがわかります。
ここから言えることは、以下の2点。
- どれだけ有名で優秀なEAであっても、いつかはデフォルトのパラメータでは勝てなくなる日が来る
- 使い続ける場合、パラメータを適宜見直すしかないが、それで勝てるかは分からない(パラメータを頻繁に変えることはトレードの一貫性を無くすことになるため、おすすめしない)
市販のEAを買う場合、多くの人は本当にそのEAで勝てるのか把握するために、ある程度の期間の運用成績(できればリアル口座での)を欲しがるはずです。
殆どのEAは数万円しますからね。決して安くはありません。しかもロジックがブラックボックスですから、不安がつきまとって当然です。粗悪なEAも世の中にはあるでしょうし。
そうなると、先陣切って運用している人のブログ等を参考にして、1年程度は様子を見るでしょう。
それで、多くの人が好成績を残していることを確認してから、「これなら勝てる!」と思い、ようやく購入に踏み切るのではないでしょうか?
少なくとも私はそうでした。
しかし、上で書いたとおり、時間の経過とともにEAの賞味期限は訪れます。賞味期限の長い短いはあるでしょうが、これは逃れられない宿命だと思っています。
「よし、買おう!」と思った時には既に賞味期限切れ間際かもしれません。
このことをよく理解した上で市販のEAを購入しましょう。市販EAで儲けたいなら、あまり慎重になって購入タイミングを逃さないことが大切だと思います。
石橋を叩いて渡ることはとても大事ですが、叩き過ぎて壊れてしまうこともあるのでタイミングが重要です。
ちなみに、Forex White Bear V3のフォワードテスト結果(デモ口座でのトレード)は以下のfx-onの商品ページで参照できます。興味のある方はどうぞ。
トレード時間が短くなって、ストレスフリーに一歩近づいたForex White Bear V3。900本ご購入御礼!